違う、そこにあるのは主従関係だ。
例えば、CDをPCで取り込んでポータブルプレイヤーに転送するという、iPodも「契機」の一つだっただろう。
携帯電話は、iPodと同様に「携帯端末」であり、独立したガジェットではない。故に僕はもう結構前から、Outlookとのスケジュール同期を「携帯電話に求める最低限の機能」としている。自宅でOutlook(なりOutlookと同期可能なGoogleカレンダーなり)を弄ってスケジュールを組み、携帯に転送して持ち歩き、出先で追加/変更される予定はその都度携帯に入力しておく(追加/変更は帰宅後の同期時にPC側にも反映される)、という使い方だ。
この方向性は、実はこれ自体、一般的に言われている「ウェブの未来」とは少し異なっている。単純化して言えば、この方向性は必ずしも携帯端末のネット接続機能を求めないからだ。
※参考
……もちろん、それにしたってネット接続機能はあった方が良い(上記のマップネタにしたって「検索はネット接続下でしか行えない」)ので「非常に乱暴な言い方をすれば」という話だけど、我々が大なり小なり(例えばそれこそ「iPod nanoを買った時点で」)PC/ガジェット間で主従関係を構築しているという、そのことを確認しておく。
そして、あらゆる主従関係は、それが唯一であるか否かを疑われなくてはならない。
「携帯電話世代」とステレオタイプに言ったとき、それは必ずしも、例えば「Winny/YouTube/ニコニコ動画から完全に隔絶された世代」を意味していない。現在形として彼らが隔絶されているならば、その主原因は経済面や年齢だ。「携帯電話世代」……この手の「世代」というキーワードは本質的にアレなんだが、この記事ではステレオタイプに従うので深く気にしないで下さい……が我々と違う集合であるならば、最も重要な「違い」は、彼らが携帯電話を「主」としている/としか今後もしないという点にある。
かつて、携帯電話とPCは完全に分離していた。それでもどうにかEメール受信機能が付いた携帯電話を手に入れた僕が最初に挑戦したことは、「プロバイダーメールを転送させる」だった。無料な癖にフィルタ/転送機能が完備されたGMailなど無く、というかプロバイダーのメールサービスでも、転送機能は「有料オプションとして用意されていればマシ」だった(僕のプロバイダーにはそのサービスすらなかった)。……と、まぁそんな懐古はどうでも良いんだが、あの時代、携帯電話はPCから完全に独立した、文字通り「携帯できる電話」で、だから僕らPCユーザーはそれを「電話」として、つまり「携帯端末」としてではなく、使っていたんだ。
「携帯電話世代」にとっての現在のPCは、あの頃の僕らにとっての携帯電話に過ぎない。「学校のレポートを書くために仕方なく起動するもの」に過ぎない。「PCを主とし、携帯電話などの端末を従とする」というスタイルに向けられたツール/ウェブサービス/ハードウェアは多数登場し、僕らはそれらを使うことができる。けれど。
我々は、PCというガジェットの便利さ、素晴らしさを彼らに「啓蒙」しようとしてきた。しかしそれは、「持ち運べない携帯電話の賢い使い方」であったか?ただ我々は、彼らの根底を、崩そうとしてきた(「携帯電話は持ち運べるPCに過ぎない」)だけではないか?
例えば、そう、大人な君が「PCと携帯電話は使い分けだよ(=であるべきだよ)」と言う、その台詞は、だ。
PCは、「従」としてはどのように利用されうる/利用されるべきか。言い換えれば、PCと携帯電話は「二種類の主従関係」の中でいかなる役割を果たし合うのか。我々が真に「提案」すべきは、そういうことなのではないか?
我々の世代が、いずれこの世界において彼らに「食われる」ならば、その原因は「携帯電話がPCを駆逐すること」ではなく、「携帯電話に対する従としてのPCを提案できないこと」になるだろう。おそらく、いずれ彼らはそういうものを作り始める。それが、この世界における、我々の「世代」が「食われた」領域となるだろう。
……まぁはっきりいって、ここにおいて素晴らしい提案をできるならベンチャーを作るし、そもそも個人サイトで普通に垂れ流したりなんか絶対しないけど(ぉぃ)、抽象的すぎる気がするので「悪い例」を一つ出しておく。
携帯電話(WM携帯とかムダに重い端末の話はしていない)は無線LAN接続機能を搭載するべきだ。その時俺は、「お父さんのパソコンを騙して借りてP2Pプロクシ+Proxomitron+携帯用フィルタ群あたりを入れてスパイウェアチックに静かに常駐させるテク」を紹介するだろう。フィルタをぶっつぶせ。
かつて、iPodは、Podcastを再発見した
順序を忘れたが、少なくとも、Podcastが一定の市民権を得たのはiPodの普及以後だった、とは思う。
結果論だが、iPodの「毎日普通に日常として同期を行う」という性質、つまりそれをしないと再生回数やらが反映されないしDockなデフォルト環境では「充電しようとしたら勝手に同期が始まる」という仕様だし、という性質は、「iPodユーザーは日常的に母艦とiPod間での同期を行う」という現象を生じさせた。
Podcastは、単純化して言えば「母艦でネットから情報を取得し、何らかの方法でガジェットへの転送が行われるのを待つ」という技術なのだが、これは「日常的な同期」を条件としなければ普及しない。僕のサブプレイヤーはiriverのT50(単三で動くので旅に便利なのですが生産終了済)で、エクスプローラで MP3を転送できるのが強みなんだけど、逆に言えば、「ダウンロードされたPodcastデータをわざわざ専用ツールで転送させるのがかったるい」。
この反転が、つまり本来的に言えば割と微妙な仕様が、前提として受け入れられることで、「母艦が入手したデータを日常行為としてガジェットに転送する」という流れが成立し、Podcastは、まさにそれによって普及したのであった。iPodは、だからこそ独立したガジェットではなく「PCと主従関係を構築する端末」であり、世界で初めてそのポジションを、普通の大学生とかにも明確にアピールするブツとなったのであった。
我々が大なり小なり(例えばそれこそ「iPod nanoを買った時点で」)PC/ガジェット間で主従関係を構築しているという、そのことを確認しておく。
で、だからこそ、実は(後述するが「一定程度に」)マクロ視点、或いはオルタナティブ視点で面白いのは、iPhone用アプリではなくWindows用スクリプトなのです、と言ってみる。iPhone用アプリとは、基本的にはiPhoneを「独立したガジェット」と見なすものだ。例えば、RSSリーダーであるならば、そのiPhone用アプリはiPhone自身にデータを取得させなければならない。touch1.1.2(には歌詞閲覧機能が搭載されていなかった)の時に便利だった歌詞ビューア
※参考
はiPod touch自身に歌詞データを取得させていた。しかし「端末」であるiPhoneに対して、その端末自身にデータを取得させる必要は、「本質的には」というレベルの話として(もちろん1.1.2時代にあのアプリは素晴らしかった訳ですが)、無い。touchにしても iPhoneにしても、自動実行とかマルチタスクとかが弱すぎるので、ここらへんに関して懐が深い母艦に処理を行わせる方がスマートだ。
これだけのものを、touchやiPhoneは「同期」できる。音楽と動画はPodcastで利用される。ただ、おそらく、それでは全くもって「もったいない」んだ。ここには、まだ多くの可能性が眠っている。僕が書いたスクリプト
は、まぁ一応多少なりともこの可能性を示唆できれば良いんだけどなぁ、という感じに過ぎないが、ここにどのような可能性が眠り、どのような方法論が提示されるのか、割と楽しみにしていたりする。touchやiPhoneが、「ケータイ」や「ポータブルゲーム機」と違う最大の理由も、実はここにある、と僕は思っている。故に、いわゆる「ケータイユーザーによるiPhone叩き」に反発する人の論理に、この点において僕は違和感を感じていたりもする。
一つだけ、完全に未検証だが提案してみる。
iPod touch/iPhoneはマイドキュメント内の画像を「同期」で取り込めるんだけど、この際、一定サイズ以下の画像にはiTunesによる補正が行われていない、ように見える。PC内の画像データを、脱獄や別途用意する専用ツールに頼らずiPod touch/iPhone内に持ち込むことができる、はずなのだ(「実際に一切の補正が行われていないのか」という点を未検証)(あとSDKの制限を調べてない、まぁいずれにしてもPWNAGEがもうすぐリリースされるっぽいけど)。
「画像データ」は、別にそれ自体が画像を表している必要がないため(「バーコード」とか言っておくと伝わりやすいだろうか)、「画像データを持ち込むことが出来る」は、イコールで「任意のデータを持ち込むことが出来る」を意味しているはずなんだ(そのデータは画像としてはただのノイズかもしれないが、iPod touch/iPhoneがそのデータをデータとして参照できるなら、それには大きな意味がある)。
つまり、まぁ別に何でも良いけど、例えば、
と、いうようなことが、おそらく可能なはずだ。
そして、書き戻しが可能なのか調べてない(iPhone持ってない)けど、多分カメラで撮影した画像を母艦に書き戻せますよね?ならばiPhone側のマインドマップアプリで書き換えたデータを、その「カメラによる撮影画像」に紛れさせておけば、帰宅後の同期時に「iPhoneによって編集されたマインドマップデータ」が「母艦のマイピクチャ」に書き戻され、母艦のマインドマップツールはそれを参照することができる、と。
実のところ、この「端末」という観点のみから言えば*1、iPhoneはむしろ「touchよりコンセプトが不明瞭なガジェット」なのだ。「端末」なのか「独立したガジェット」なのかが不明瞭であり、それはむしろ、この観点における「後退」でもある。……もちろん、そのおかげで
を両立できる訳だし、それは確実に、当たり前のこととして「前進」なんだけど、まぁ、あくまで「この観点のみから言えば」という話として。
……と、いうことで、この「母艦で入手したデータを同期で持ち込む」という方向性で面白いものを作った方、それを見かけた方はご連絡下さい(ぇ)。
iPhoneの利用料金が二段階定額制になったことを、個人的には「意味のあるシステム改定」だと思っている。「理想的なiPhoneアプリ」とは、必ずしも「湯水のようにパケットを流す独立動作アプリ」ではないはずだからだ。即ち、改定が即座にユーザーのiPhone利用総額を下げないにしても、この改定(によるもの)には意味がある。
ガジェットは、あくまでガジェットだ。
これを否定すると我々は電車の中でノーパソを広げてGMailを読んでいる人に、もしくは携帯電話で小説を書く人になってしまう。ガジェットは、「人間」という、極めて高度な汎用性を持つ機械とは違って、ある「スタイル」に特化された機械だ。
だから我々はデータの流れを求める。メールで届いたWORD文書を電車の中で確認できること、それを会社に戻ってからきちんと確認し訂正することを求める。書斎のPCで落とした動画ファイルをリビングでソファに寝転んで見ることを求める。
そしてパーソナルコンピュータを軸とする「個人」のガジェットは、データに対して必ずしもインターネット網の経由を求めはしない。iPhone は、たしかにある「スタイル」において革新的なガジェットだし、それがある側面において人生を変えることが、仮にあるとしても、それが全てのスタイルにおいて人生を変えると言ってしまったら、それは、過去から未来に連なる歴史の中における、一つの狭い領域に閉じこもることを宣言しているに過ぎない。
iPhoneの、というか「タッチパネルとスムーズな拡大縮小の」だろうけど、提示する一つのスタイルはマインドマップとの連携だと思っている(だからこっそり別の記事でも例にしておいた)。我々は、FreeMindを持ち運ぶことができなかった。どんなに「ライフハック」といった言葉の中でマインドマップが語られようと、その「マップ」を確認して更新するのは、あくまでPCデスクの前であったんだ。iPhoneが、それを拡張するのであれば、その拡張は「iPhoneによって変わったライフスタイル」と言っても、まぁそんなに過大広告ではない(例えば俺や君は、異なる100のライフスタイルによって構成されている、という意味での「ライフスタイル」)。
ただ、そのマインドマップをiPhoneという狭いスタイルに閉じ込めてしまったら、そこには、イノベーションなどない。それは、ただの「並列な選択肢の提示」だ(「そこには一切の価値がない」とは言っていない)。
例えば、iPhone専用のマインドマップアプリは、紙に対してある側面で優れていて、そして別の側面では劣っている。その「劣っている」点を他のスタイルにおいて補完できるから、データを流す「ガジェット」は紙に対して絶対的な優位性を持っているんだ。
……完璧な優位性を持つには、とりあえず 4000x3000くらいの持ち運び可能モニターが登場しないといけない、つまり
紙なら当たり前のようにできている「ざーっと斜め読みする」「パラパラめくる」という面において現代のモニター/PC処理速度はゴミ
なので「可能性として」という話だけど、まぁここでは無視しておく(マインドマップなら1920x1200くらいでもそれほど不満はないじゃん?ということにして下さい……)。
iPhoneというガジェットが行っているのは、この「拡張」であり、それが「新しいライフスタイルの提案」であり、イノベーションだ。少なくとも、それらは、他の場所にはない。
そして実際問題として、現代は、月1万以下で我々の夢想する常時接続を実現できる時代ではない。どうしてこんなヌルい時代に生れてしまったのかを嘆く権利は僕らにもあるはずだが、光回線で月10TBを転送して問題がなかったのは、単に「光を引いても月数十GB以下しか転送しない」というユーザーが多数派だったからだ。ある言い方をすれば、彼らが余分な金を払い続けていたために、君は月10TBを1万以下で転送できていたんだ。「携帯電話」であれば、これらの単位は更に小さくなる。
そしてそんなヌルい時代が今後も続くことを、僕も君も、望んではいない、だろう?
「多数派の犠牲」とは、それだけ我々が少数派に過ぎないことを意味している。すげー分かりやすく言えば、だから、Shareで流れる映画のバリエーションは少ないんだ。
「ガジェット」であるが故に、そして不完全な時代における産物であるが故に、無線LANとの相性は、21世紀最初のディケードにおいて iPhoneアプリが考えなければならないことだ。不必要な(つまり「キャッシングしておけば良い」)データを流すアプリは、もうその時点で現代において「非常に良い」iPhoneアプリではない。上述の例を引っ張ればマインドマップだが、別に「帰宅後に母艦と同期を取る」分には一切のパケットを流さないし、パケットを流す必要があるのは、「必要に応じてウェブサービスにデータを流す(そしてPCブラウザ上で編集可能に)」場合だけだ(「母艦からウェブサービスに流す」分にはパケットを使わないので、あくまで「必要に応じて」)。
例えば「PhotoShare」は、この記事の内容と全く合致しない。それは、そもそもにおいてあれが「カメラ付きでブラウズにも使える」ガジェットだという点に着目するアプリだからだ。別にこの記事で書いていることは「iPhoneアプリの目指すべき唯一の方向性」とかいう話ではないので、もちろんPhotoShareは面白い。
30年後に生まれなかったことを、例えば「iPhone」という一ガジェットのイノベーションの一端を担う人間になり得るという点において感謝するのであれば、携帯電話網での通信が月1万パケットでも(例えばRSSリーダーなら自宅でデータを受信すれば良く、それに加えて特に仲がいい友達とかのTwitterの最新書き込みくらいを出先で即座に受信できれば良いという話)十二分に活用できるアプリを。
別の言い方をすれば、現在71,250パケットが「あっという間に使い切るパケット量」であるとしても、それはあくまで「iPhone3G登場から間もない現在」「(大小ではなく位置の問題として)ある特定のスタイル下でiPhoneを使う場合」における話であるはずであり、「いかに携帯ネットワークを利用しないか」ということもiPhoneアプリの可能性である(そして前半で書いてきたようにそれはiPhoneの革新性を少しも殺すものではない)はずであり、別に「71,250」という具体的な数字には意味がないので「70kは無理、200kであるべき」と言われたら「あ、なるほどー」としか言いようがない訳ですが、とりあえずMapsOfflineの2.0対応版はまだですか。
できればあれですね、GMDLが例えば「23区内と横浜周辺の最新地図データを落としてiPhone用に変換し、それらをあるファイル名にリネーム〜」といった作業をbat化できるようになるともっと嬉しいです。
Dropboxは、基本的な設計、特にFlickrなどウェブサービスとの将来的な意味での親和性において非常に面白い。
※参考:HDD以上に便利なオンラインストレージ“Dropbox” − @IT
特に最後の段落的な話。既に上記事でまとまっているし、この記事の主旨ではないので割愛する。
ただ、DropboxのiPhone対応は、別に面白くない。「Dropbox的な何か」は、おそらくiPhone自体の「(ある集合に対する)キラーアプリ」となり得る。が、Dropboxは、たぶんApple公認アプリのままでは、それにはなれない。
ちょっと確認しておこう。Dropboxが面白い、その重要なポイントは
これ、共有(shared)でなくて同期(synched)なところがポイントなのです。
(中略)
いわゆる共有フォルダーというのは、データはあくまでサーバーにのみ存在し、それにネットワーク経由で各クライアントがアクセスする。だからローカルフォルダーと同様の使い心地を得るには、まずサーバーが生きていなければならないし、回線も速くなければならない。
それに対して、このDropboxにおいては、フォルダーは同期される。ローカルのコピーはあくまでローカルのコピー。
と、いうことだ。
……一応書いておくと、別に「上記引用記事に対する反論」といった意図ではないです。例えば「WinマシンとMacマシン」といった環境下でDropboxを使う上でのポイントというのはまさに上記だと思うし、それを一番端的にまとめているのが上記の記事だろうと思う、という話。
それで、iPhone用Dropboxなんだけど、これはウェブインターフェイス。つまり、iPhoneのブラウザからウェブサーバーにアクセスすることで、同期フォルダ内のファイルにアクセスする、と。
iPhoneでも使える。が、こちらはリードオンリー。これがちょっと残念。
iPhoneでそれができないのは、現時点におけるDropboxのiPhoneがWebアプリだから。Safariの制約をそのまま受けてしまう。専用アプリが出来れば、たとえばiDoodleのように、画像フォルダーの中身にアクセスできるのでアップロードも実装できるだろう。
「残念」なのは、「サーバーが生きていなければならないし、回線も速くなければならない」という制限を、iPhone+Dropboxはおそらく「iTS配布」である限り超えることができない、という点だ。リードオンリーなのは、別に例えばGoogleDocs的なウェブアプリ(ファイルをブラウザから編集したり)を走らせれば解決できる問題だけど、「フォルダの同期」という、Dropbox最大のポイントを実現できない、という問題はそうじゃない。
ついでに言うと、例えば「好きなアプリケーションでファイルを開ける」というのも「同期」のメリットの一つだ。早い話、GoogleDocs的なインターフェイスがDropboxに搭載されたとして、それは必ずしも万人にとっての「ベスト」ではない。例えば、テキストエディタとして秀丸を使う人もいるし、EmEditorを使う人もいるだろう。それを任意に選べるという点も「ローカルフォルダーと同様の使い心地を得る」のメリットの一つだ。
iPhoneって、公式アプリからプッシュ的なフォルダ同期を行うことが、たしかできなかったはず(SDKのアレ読んで確認して下さい)。つまり、Dropboxの「ポイント」をiPhoneにまで拡張するには
というような方向に向かわざるを得ない。
ここで貴方はこう思うかもしれない。
「WinとMacでは同期、iPhoneからもリードオンリーで閲覧可能」は各端末の長所を考えた良いスタイルだ。
ただ、それは、違う。
というか、もしそうであるなら、その理由は「iPhoneはあくまでお手軽端末であってゴミだから」だ。具体的には「Dropboxに放り込みたくなるようなマトモな写真を撮れないゴミカメラしか付いていないし、あの日本語入力ではテキストファイルやマインドマップ、オフィス文書などの編集なんて夢のまた夢だから」という感じになる。そして、それは決して認めてはならないラインだ。
つまり、ある言い方をすれば、仮に画質が悪いカメラしか付いていないとしても、「あれは必要十分なカメラだ」と言い張らなければならない、訳だ。
だから例えば、単純に言えば、撮影写真をトイカメラ的画像に変換するツールとかは面白いと思うし、もうちょっと掘り下げればPhotoShare。「1000万画素の一眼レフでもiPhoneのカメラでも、ライフログとしての写真ならば同じことだし、ライフログとしての使い勝手は当然のようにiPhone>一眼レフである」から「あれは必要十分なカメラだ」ということになる。
実装レベルの話をすれば、iPhoneの容量的にGB単位のファイルを同期されても邪魔なので、例えばiPhone(やWM携帯)では「My Dropbox\Mobile」フォルダ内のみを同期する、などといった仕様が望ましいんだろうけど、まぁそんなことはどうとでも出来るだろう。
……と、いうことで、少し脱線すると、俺は同じ理由からlivedoor Readerの設計
にも疑問を感じている。それは「iPhoneはRSSを読むのに適していないので、読んでも既読にならない方が良いでしょ?」という意図にしかならない。つまり「iPhoneからのアクセスでもマトモにRSSを読めるようなインターフェイスを作らなくてはならない」のだ。そして別に正直、iPhone用LDRは既にそれをできているんじゃないか?(だからiPhoneからのアクセスであっても記事を既読にするべきじゃないか?)
現状、iPhoneの公式アプリは、Dropbox的な方面において非常に大きな制限を受けている、と思う。
Dropboxがやろうとしていること、そこを突き抜けてくれる何かは、おそらくiPhone自体の「(少なくともある集合内に位置する人間にとっての)キラーアプリ」になるはずだ。ただ、その「何か」は、おそらく、Appleに反旗を翻さざるを得ない。