「ユーザーによるブラウザ上での操作でダウンロード作業を開始させる」という用途において、Irvine用のキューファイル「irv」の存在は面白い、という話です。irvファイルを使うことで、ウェブダウンロードを、torrentのような感覚(ブラウザ上でリンク文字をクリックするとダウンロード作業が始まる)でユーザーに行わせることが可能になります。
当サイトのコンテンツの一つであったYouTube動画ダラ見デスクトップ「VJ YouTube」は名前を「ダラ見探」と変えて「にゅーあきば」のコンテンツになり、
※参考:完全にワンクリックのみで動画を落とせる「ダラ見探」新バージョン
僕は既にプログラミング作業から手を引いてるんですが、新機能とかの展開には関わっていたりして、このたび追加された新ダウンロード機能は僕の発案だったりするので、ここで概要を書いておきます。調べた限り、この方法論は「初」だと思うんだよなぁ……。
凄く当たり前な話から始めると、一般的に、例えばウェブサービスがユーザーに動画をダウンロードさせる場合
<a href="http://www.server.com/movie.avi">動画ダウンロード</a>
といったようなリンクを作るわけですが、この方法論には制限がある。いや、凄く当たり前なんですけど、特に初心者にとっての使い勝手に着目した場合に、「制限」としか言いようのないものがある。
- 保存ファイル名=サーバー上でのファイル名となる
- 例えば、本体アドレスが「〜getvideo〜」で保存ファイル名が「〜.flv」であるべきYouTube動画
- ワンクリックで一つのファイルしか落とさせられない
- 故にウェブ上で複数ファイルを配布する場合はZIP圧縮などでまとめるのが定石だ
この制限を、irvファイルの利用によって回避する。irvとは、国産の定番高機能ダウンローダーIrvine用のキューファイル。仕様に関しては当サイトでも以前書いているので割愛しますが
参考:Irvineで保存ファイル名を指定しDL
要点をまとめると
- ダウンロードアドレスと保存ファイル名を別々に指定することが可能です
- 複数のダウンロードをファイル内で定義することが可能です
故に
- あらかじめ拡張子「irv」をIrvineに関連付けしておく
- irvファイルへのリンクをページ内に表示しクリックさせる
- 初回にIEの「この種類のファイルであれば常に警告する」チェックを外し「(Irvineで)開く」を行わせる
という手順で、以後、ページ内の拡張子irvへのリンクをクリックするだけで、Irvineによるダウンロードが始まるようになる。BTと同じような動作原理ですね(あれは拡張子torrentのファイルを「開く」で落とすことで複数巨大ファイルのダウンロードが始まる)。
と、いうことで、この仕組みを使うと、ブラウザ上でリンク文字/画像をワンクリックするだけで、
- 保存ファイル名を制御しながら
- 複数のファイルを(「ダラ見探」の場合は動画を落とすための実装なので一つですが、別に複数にもできる)
- バックグラウンドで(ダウンロードウインドウが表示されたりダウンロード終了時に勝手にアクティブになったりするブラウザダウンロードと違い、Irvineは適当に最小化でもさせておけば良い)
落とさせることができるようになります、という話でした。別に「初心者にとって」と言わずとも、僕はいわゆる「YouTube動画を落とせます」系のウェブサービスで保存ファイル名を毎回設定するのが面倒でたまらない。そして、勝手にウインドウが開いてダウンロード終了時に勝手にアクティブになる、IEなど一般的なブラウザのダウンロード機能は、まぁ例えば「YouTubeダラ見デスクトップ」で行う動画ダウンロードには、ユーザーの技術的なレベルとは無関係に、適していない。
で、先に書いておくと、この方法論にはおそらく反発する人もいると思うので、先に再反論を。まず想定される意見。
この方法を使う、正確に言うと
- ユーザーにirvをIrvine.exeに関連付けさせる
- 「この種類のファイルであれば常に警告する」のチェックを外させる
と、ウイルスなどのファイルをユーザーに(「自分が何を落とそうとしているのか」という意味で)非自覚的に落とさせることができるようになってしまう。ウイルス感染者などを増やす方法論であり、セキュリティ的な意味で許される物ではない。
僕は別にこの件に限ったことでもなく常に
- ダウンロードフォルダでは実行ファイルの実行を禁止にしろ
- 解凍ツールの解凍先フォルダ指定は「セキュリティ」の範疇である
と言い続けてるんですが、
※参考:拡張子偽装ウイルスを「Patch Folder and File Security」で完璧防御
ダウンロードフォルダとは、貴方のPC内において、他のフォルダとは決定的に性質の異なるフォルダです。PC内におけるダウンロードフォルダ(あと本当はブラウザ一時フォルダも同じ)の位置付けとは、いわば鎖国日本における長崎港のそれに近しい。あるいは、現代日本における成田空港入国審査前エリアのそれに近しい。「そこにウイルスを一切入れないようにする」というのは本質的に不可能です。つか、そんなことを言い出したら「ZIPファイルは中にウイルスがあるかもしれないので、一切落とさないようにしましょう」という結論以外を導けない。重要なのは、そこにウイルスが入ってきても実行しない&外に出さない環境を作ることであり、それ以外ではない。
……「実行しない」「外に出さない」は絶対的に対であり、片方だけでは意味がない、という、この視点において、「(僕が上記で提示した)irvによるダウンロードテクには反発するが、普段はブラウザでファイルをデスクトップに落としている」という人のセキュリティ意識は、実のところ、非常に、低い。
と、脳内再反論をして終わり(それ以前に既に「irvを使うウェブサービス」というのが存在してたらご指摘いただければモニターの向こうで顔を赤らめますどうしよう)。