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Dropboxは脱獄を求めている

Dropboxは、基本的な設計、特にFlickrなどウェブサービスとの将来的な意味での親和性において非常に面白い。

※参考:HDD以上に便利なオンラインストレージ“Dropbox” − @IT

特に最後の段落的な話。既に上記事でまとまっているし、この記事の主旨ではないので割愛する。

ただ、DropboxのiPhone対応は、別に面白くない。「Dropbox的な何か」は、おそらくiPhone自体の「(ある集合に対する)キラーアプリ」となり得る。が、Dropboxは、たぶんApple公認アプリのままでは、それにはなれない。


ちょっと確認しておこう。Dropboxが面白い、その重要なポイントは

これ、共有(shared)でなくて同期(synched)なところがポイントなのです。

(中略)

いわゆる共有フォルダーというのは、データはあくまでサーバーにのみ存在し、それにネットワーク経由で各クライアントがアクセスする。だからローカルフォルダーと同様の使い心地を得るには、まずサーバーが生きていなければならないし、回線も速くなければならない。

それに対して、このDropboxにおいては、フォルダーは同期される。ローカルのコピーはあくまでローカルのコピー。

404 Blog Not Found:これは一本とられた - Dropbox

と、いうことだ。

……一応書いておくと、別に「上記引用記事に対する反論」といった意図ではないです。例えば「WinマシンとMacマシン」といった環境下でDropboxを使う上でのポイントというのはまさに上記だと思うし、それを一番端的にまとめているのが上記の記事だろうと思う、という話。


それで、iPhone用Dropboxなんだけど、これはウェブインターフェイス。つまり、iPhoneのブラウザからウェブサーバーにアクセスすることで、同期フォルダ内のファイルにアクセスする、と。

iPhoneでも使える。が、こちらはリードオンリー。これがちょっと残念。

iPhoneでそれができないのは、現時点におけるDropboxのiPhoneがWebアプリだから。Safariの制約をそのまま受けてしまう。専用アプリが出来れば、たとえばiDoodleのように、画像フォルダーの中身にアクセスできるのでアップロードも実装できるだろう。

404 Blog Not Found:これは一本とられた - Dropbox

「残念」なのは、「サーバーが生きていなければならないし、回線も速くなければならない」という制限を、iPhone+Dropboxはおそらく「iTS配布」である限り超えることができない、という点だ。リードオンリーなのは、別に例えばGoogleDocs的なウェブアプリ(ファイルをブラウザから編集したり)を走らせれば解決できる問題だけど、「フォルダの同期」という、Dropbox最大のポイントを実現できない、という問題はそうじゃない。

ついでに言うと、例えば「好きなアプリケーションでファイルを開ける」というのも「同期」のメリットの一つだ。早い話、GoogleDocs的なインターフェイスがDropboxに搭載されたとして、それは必ずしも万人にとっての「ベスト」ではない。例えば、テキストエディタとして秀丸を使う人もいるし、EmEditorを使う人もいるだろう。それを任意に選べるという点も「ローカルフォルダーと同様の使い心地を得る」のメリットの一つだ。

iPhoneって、公式アプリからプッシュ的なフォルダ同期を行うことが、たしかできなかったはず(SDKのアレ読んで確認して下さい)。つまり、Dropboxの「ポイント」をiPhoneにまで拡張するには

  • 脱獄してサーバーを仕込んでおき、母艦側に「iPhoneのIPアドレスに接続→ファイル操作」を定期的に試行するクライアントツールを常駐させておく
  • 「iTunesにおける同期」でデータを(どうにかして自動的に)同期させる(前に別記事で軽く書いたけど、例えばファイルの中身をバーコード画像化することにより、というのはどうだろう)

というような方向に向かわざるを得ない。


ここで貴方はこう思うかもしれない。

「WinとMacでは同期、iPhoneからもリードオンリーで閲覧可能」は各端末の長所を考えた良いスタイルだ。


ただ、それは、違う。

というか、もしそうであるなら、その理由は「iPhoneはあくまでお手軽端末であってゴミだから」だ。具体的には「Dropboxに放り込みたくなるようなマトモな写真を撮れないゴミカメラしか付いていないし、あの日本語入力ではテキストファイルやマインドマップ、オフィス文書などの編集なんて夢のまた夢だから」という感じになる。そして、それは決して認めてはならないラインだ。

つまり、ある言い方をすれば、仮に画質が悪いカメラしか付いていないとしても、「あれは必要十分なカメラだ」と言い張らなければならない、訳だ。

だから例えば、単純に言えば、撮影写真をトイカメラ的画像に変換するツールとかは面白いと思うし、もうちょっと掘り下げればPhotoShare。「1000万画素の一眼レフでもiPhoneのカメラでも、ライフログとしての写真ならば同じことだし、ライフログとしての使い勝手は当然のようにiPhone>一眼レフである」から「あれは必要十分なカメラだ」ということになる。

実装レベルの話をすれば、iPhoneの容量的にGB単位のファイルを同期されても邪魔なので、例えばiPhone(やWM携帯)では「My Dropbox\Mobile」フォルダ内のみを同期する、などといった仕様が望ましいんだろうけど、まぁそんなことはどうとでも出来るだろう。

……と、いうことで、少し脱線すると、俺は同じ理由からlivedoor Readerの設計

  • PCからのアクセス時には記事を読むと既読になる
  • iPhoneからのアクセス時には記事を読んでも既読にならない

にも疑問を感じている。それは「iPhoneはRSSを読むのに適していないので、読んでも既読にならない方が良いでしょ?」という意図にしかならない。つまり「iPhoneからのアクセスでもマトモにRSSを読めるようなインターフェイスを作らなくてはならない」のだ。そして別に正直、iPhone用LDRは既にそれをできているんじゃないか?(だからiPhoneからのアクセスであっても記事を既読にするべきじゃないか?)


現状、iPhoneの公式アプリは、Dropbox的な方面において非常に大きな制限を受けている、と思う。

Dropboxがやろうとしていること、そこを突き抜けてくれる何かは、おそらくiPhone自体の「(少なくともある集合内に位置する人間にとっての)キラーアプリ」になるはずだ。ただ、その「何か」は、おそらく、Appleに反旗を翻さざるを得ない。

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