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iPhoneに70kパケは過小か

iPhoneの利用料金が二段階定額制になったことを、個人的には「意味のあるシステム改定」だと思っている。「理想的なiPhoneアプリ」とは、必ずしも「湯水のようにパケットを流す独立動作アプリ」ではないはずだからだ。即ち、改定が即座にユーザーのiPhone利用総額を下げないにしても、この改定(によるもの)には意味がある。


ガジェットは、あくまでガジェットだ。


これを否定すると我々は電車の中でノーパソを広げてGMailを読んでいる人に、もしくは携帯電話で小説を書く人になってしまう。ガジェットは、「人間」という、極めて高度な汎用性を持つ機械とは違って、ある「スタイル」に特化された機械だ。

だから我々はデータの流れを求める。メールで届いたWORD文書を電車の中で確認できること、それを会社に戻ってからきちんと確認し訂正することを求める。書斎のPCで落とした動画ファイルをリビングでソファに寝転んで見ることを求める。

そしてパーソナルコンピュータを軸とする「個人」のガジェットは、データに対して必ずしもインターネット網の経由を求めはしない。iPhone は、たしかにある「スタイル」において革新的なガジェットだし、それがある側面において人生を変えることが、仮にあるとしても、それが全てのスタイルにおいて人生を変えると言ってしまったら、それは、過去から未来に連なる歴史の中における、一つの狭い領域に閉じこもることを宣言しているに過ぎない。



iPhoneの、というか「タッチパネルとスムーズな拡大縮小の」だろうけど、提示する一つのスタイルはマインドマップとの連携だと思っている(だからこっそり別の記事でも例にしておいた)。我々は、FreeMindを持ち運ぶことができなかった。どんなに「ライフハック」といった言葉の中でマインドマップが語られようと、その「マップ」を確認して更新するのは、あくまでPCデスクの前であったんだ。iPhoneが、それを拡張するのであれば、その拡張は「iPhoneによって変わったライフスタイル」と言っても、まぁそんなに過大広告ではない(例えば俺や君は、異なる100のライフスタイルによって構成されている、という意味での「ライフスタイル」)。

ただ、そのマインドマップをiPhoneという狭いスタイルに閉じ込めてしまったら、そこには、イノベーションなどない。それは、ただの「並列な選択肢の提示」だ(「そこには一切の価値がない」とは言っていない)。

例えば、iPhone専用のマインドマップアプリは、紙に対してある側面で優れていて、そして別の側面では劣っている。その「劣っている」点を他のスタイルにおいて補完できるから、データを流す「ガジェット」は紙に対して絶対的な優位性を持っているんだ。

……完璧な優位性を持つには、とりあえず 4000x3000くらいの持ち運び可能モニターが登場しないといけない、つまり

紙なら当たり前のようにできている「ざーっと斜め読みする」「パラパラめくる」という面において現代のモニター/PC処理速度はゴミ

Web2.0を腐らせたもの

なので「可能性として」という話だけど、まぁここでは無視しておく(マインドマップなら1920x1200くらいでもそれほど不満はないじゃん?ということにして下さい……)。


iPhoneというガジェットが行っているのは、この「拡張」であり、それが「新しいライフスタイルの提案」であり、イノベーションだ。少なくとも、それらは、他の場所にはない。


そして実際問題として、現代は、月1万以下で我々の夢想する常時接続を実現できる時代ではない。どうしてこんなヌルい時代に生れてしまったのかを嘆く権利は僕らにもあるはずだが、光回線で月10TBを転送して問題がなかったのは、単に「光を引いても月数十GB以下しか転送しない」というユーザーが多数派だったからだ。ある言い方をすれば、彼らが余分な金を払い続けていたために、君は月10TBを1万以下で転送できていたんだ。「携帯電話」であれば、これらの単位は更に小さくなる。

そしてそんなヌルい時代が今後も続くことを、僕も君も、望んではいない、だろう?

「多数派の犠牲」とは、それだけ我々が少数派に過ぎないことを意味している。すげー分かりやすく言えば、だから、Shareで流れる映画のバリエーションは少ないんだ。


「ガジェット」であるが故に、そして不完全な時代における産物であるが故に、無線LANとの相性は、21世紀最初のディケードにおいて iPhoneアプリが考えなければならないことだ。不必要な(つまり「キャッシングしておけば良い」)データを流すアプリは、もうその時点で現代において「非常に良い」iPhoneアプリではない。上述の例を引っ張ればマインドマップだが、別に「帰宅後に母艦と同期を取る」分には一切のパケットを流さないし、パケットを流す必要があるのは、「必要に応じてウェブサービスにデータを流す(そしてPCブラウザ上で編集可能に)」場合だけだ(「母艦からウェブサービスに流す」分にはパケットを使わないので、あくまで「必要に応じて」)。

例えば「PhotoShare」は、この記事の内容と全く合致しない。それは、そもそもにおいてあれが「カメラ付きでブラウズにも使える」ガジェットだという点に着目するアプリだからだ。別にこの記事で書いていることは「iPhoneアプリの目指すべき唯一の方向性」とかいう話ではないので、もちろんPhotoShareは面白い。

30年後に生まれなかったことを、例えば「iPhone」という一ガジェットのイノベーションの一端を担う人間になり得るという点において感謝するのであれば、携帯電話網での通信が月1万パケットでも(例えばRSSリーダーなら自宅でデータを受信すれば良く、それに加えて特に仲がいい友達とかのTwitterの最新書き込みくらいを出先で即座に受信できれば良いという話)十二分に活用できるアプリを。


別の言い方をすれば、現在71,250パケットが「あっという間に使い切るパケット量」であるとしても、それはあくまで「iPhone3G登場から間もない現在」「(大小ではなく位置の問題として)ある特定のスタイル下でiPhoneを使う場合」における話であるはずであり、「いかに携帯ネットワークを利用しないか」ということもiPhoneアプリの可能性である(そして前半で書いてきたようにそれはiPhoneの革新性を少しも殺すものではない)はずであり、別に「71,250」という具体的な数字には意味がないので「70kは無理、200kであるべき」と言われたら「あ、なるほどー」としか言いようがない訳ですが、とりあえずMapsOfflineの2.0対応版はまだですか。

※参考:touch「マップ」を外出先で使うGMDL+Maps Offline :教えて君.net

できればあれですね、GMDLが例えば「23区内と横浜周辺の最新地図データを落としてiPhone用に変換し、それらをあるファイル名にリネーム〜」といった作業をbat化できるようになるともっと嬉しいです。

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