2006年フリーソフト10選
なんか三年連続になった「tokix.net的に一年を代表するフリーソフト」。選考基準は「2006年はWinオンラインソフトユーザーにとってどんな年だったのか」というポイントを理解させてくれるツール、です。
先に書いておくと、「2006年フリーソフト1選」であれば、間違いなく選ぶツールはPlaggerだ。だがしかし・・・、という話はいつか書くかもしれない(煩悩是道場の文章が有名っぽいけど、僕の立ち位置/観点では少し違うんだなぁ・・・)けど、とりあえず、この10選にPlaggerは含めない。
と、いうことで、tokix.net的に選出した10個のフリーソフトを。
ダウンロード:youtubeの(中略)Irvineで一気に落とすスクリプト

高機能汎用型ダウンローダーIrvineにYouTube(など動画共有サイト)動画のダウンロード処理を丸投げするスクリプト。2006年を語るにあたり、「ウェブサービス」とか「YouTube」とかいうキーワードを避けて通ることはできない。ここらへんに関する言及は既に「ウェブサービスの復興とDL」で行っているので省略するが、特定サイト用のダウンローダーは、必ずしもダウンロード作業自体を行う必要がない。「ダウンロード」という行為における、ある一部分を担当すればそれで事は足りる。様々なサイトからのダウンロードを「このサイトではこれ」というようにツールの使い分けで行うのはむしろ不便なことであり、究極的には、どんなサイトでも同じ操作感で必要なファイル(YouTubeなら動画)を落とせる巡回スタイルが理想なはずなんだ(故に、ダウンロードの一部しか担当しない事は「長所」である)。
参考:IEでもYouTube動画をまとめてリネーム不要でDL
ダウンロード:iTube

上記のように「ダウンロードの一部分しか担当しない」ツールやスクリプトは、おそらく2007年も継続されるトレンドだが、このトレンドには確実に「裏」がある。あるスタイルに特化し、そのスタイルでのダウンロードを超簡単に行ってくれるダウンローダーにも、需要があるという点(ここらへんも、既に「ウェブサービスの復興とDL」で言及した通り)。iTubeは、YouTube個別動画ページ’(〜/watch?)のURLを入力すれば、ワンクリックで動画をダウンロードしiPod用形式に変換してiTunesライブラリに登録してくれるダウンローダー。当てはまる人なら非常に簡単に高機能なダウンロードスタイルを実現できる、というタイプのツールだ。「YouTube」とか「iPod」とかいう具体的なキーワードに魅力を感じなかった(=このツールのスタイルに当てはまらない)人も、2007年におそらく増えるであろう同種ツールの登場に期待しよう。
参考:iTunesにYouTube動画を落とすiTubeが初心者向けに進化
ブラウザ:Torpark

簡潔に書けば「生IPアドレスを隠蔽し、かつ見かけのIPアドレスを一定時間ごとに変更し続けてくれる匿名プロクシ」であるところのTorを組み込んだインストール不要ブラウザ。ブラウザの方向性は明確に二分化されてきたと思っていて、拡張性の高いインストール型ブラウザ(Firefox,Sleipnir2)と、ある目的/スタイルに特化された(ネットカフェ等でもその場で落として使える)インストール不要型ブラウザ。前者に関しては2006年に大きな動きがなかったので、後者から極めてコンセプティブなTorparkを「10選」に選出する。本来、Torは色々面倒な導入作業の後でしか使えないのだが、Torparkならダウンロード→起動だけでOK。会社や学校など、生IPアドレスを隠蔽したい/インストール権限がない環境でも基本的に利用可能なので、いつでもウェブ検索から落とせるよう、「Torpark」という名前を覚えておくと良いと思う。
参考:Torで閲覧者のIPアドレスを隠蔽する匿名タブブラウザ「Torpark」
特定サイト用ブラウザ:GyaoReader

本来は全画面(&最初にCM)でしか見れない動画サイトGyaoの動画を、専用インターフェイス&通常のWMPで再生できるGyao専用ブラウザ。この手のツールを考えるとき、2006年的な観点とは「では、そもそもGyaoを本来のインターフェイスで閲覧する必要はあるか」という点だと思う。GyaoReaderによる鑑賞は通常のブラウザによる鑑賞よりも単純に便利であり、GyaoReaderさえあれば、Gyaoというウェブサービスを、本来のインターフェイスで鑑賞する必要が生じるケースは、無いのだ。Gyaoを本来のインターフェイスで見ている人は、GyaoReaderでGyaoを見ている人と比べ、単純に損をしている。(当サイトも2005年に「ソーシャル・ブラウザへ」で最初の言及を行っている)「ソーシャル・ブラウザ」からも繋がる概念であり、これが「Plagger」という(ある一つの意味における)完成系を見て、iTubeを生んだ2006年的なツールの一つとして、あるウェブサービス(Gyao)に特化されたGyaoReaderを選出する。
参考:Gyaoをタイトルツリー表示&本編WMPで見れる「Gayo Reader」
ブラウザ補助:bookey

2006年を語る上で、おそらく「ソーシャルブックマーク」も外せないキーワードだ。ユーザー同士がオススメウェブページを教え合うソーシャルブックマークは、「ニュースサイト管理人が『はてブ』の注目エントリーからしか情報を引かなくなった」とか「はてブは個人ニュースサイト2.0なのか」とか様々な議論を生んだ。bookeyは、はてブ・del.icio.usなど各種ソーシャルブックマーク間のデータを同期させるためのツール。個人的には、本来「10選」には「ソーシャルブックマークへの同期機能を搭載した、紙/ScrapBook的なウェブページ取り込み&再検索用ツール」が入るべきだと思っているんだけど、普及度/現時点での需要を考慮しbookeyを選出する。
ファイル共有:o2on

ファイル共有は、一般的には「サーバーに置くには大きすぎる」ファイルの交換に利用される技術(なのでDVDなど違法ファイルに利用されやすい)だが、「サーバーに置くには数が多すぎる&アクセス負荷が大きすぎる」ファイルの共有にも利用可能なのだ。o2onは、JaneやLive2chなどの2ちゃんねるブラウザと連携し、2ちゃんねるのスレッドdatファイルをユーザー間で共有するファイル共有ツール。dat落ちしたスレッドを、他のo2onユーザーからdatを貰うことで読めるようにする、と。2ちゃんねるブラウザと2ちゃんねるの間にローカルプロクシとして入り込み、ユーザーがdat落ちしたスレを開こうとすると自動でP2Pネットワークからの探索を開始する・・・という使い勝手がなかなか秀逸。まだ解決すべき問題点も多いような感はあるが、ウェブサービスの抱える、膨大になりすぎたコンテンツをユーザー同士のP2Pネットワークで共有する、という方向性は興味深いと思う。
参考:dat落ちしたスレを専ブラで読めるようにするP2Pのdat共有ツール「o2on」
アンチウイルス:ActiveVirusShield

市販アンチウイルスは、おそらく2007年以降にヘビーな戦いを強いられる。Windowsが標準でアンチウイルスを搭載した後、それでも有料のアンチウイルスを求めるユーザーの数に限りがあるためだ。この問題は多分全てのアンチウイルスベンダーが意識していて、パッケージ代を払えば更新が無料/更新料を払っておけばメジャーバージョンアップが無料/1ライセンスで3台のマシンにインストール可能・・・というように、2006年は、ライセンス周りに各ベンダーの試行錯誤の痕跡が見える一年だった。ActiveVirusShieldは、少なくとも「どんなマイナーウイルスでもカバーする定義ファイルの充実度」という意味ではまず異論無く世界最強であろうロシア製市販アンチウイルスKasperskyのエンジン・パターンを利用する無料アンチウイルス。「インストールすると情報を収集される可能性がある」という件が話題になっているが、個人的には上記のような模索の中で「とりあえず」入れてある規約だと解釈している(故に将来的にオススメできないツールに変わる可能性はある)。
参考:Kaspersky製のフリー&常駐保護付きアンチウイルスが登場
仮想OS:Virtual PC

ウイルス対策において極めて有効度が高い方法論は「サンドボックス」というヤツで、簡潔に言えば「仮にウイルスであったとしても問題が生じない環境を構築し、内部でプログラムを走らせる」という感じ。とても分かりやすい例が「割れエロゲーに紛れ込んだウイルス」だと思うけど、VirtualPCでWindows内に別のWindows(仮想OS)を作成し、仮想OS側でゲームのインストール/プレイを行えば、仮にウイルスを踏んでしまっても(或いは「踏んだことにすら気付かなくても」)現実的な被害は生じない。昨年まで有料ソフトであったMS製の仮想OSソフト「VirtualPC」がフリー化され、仮想OS環境構築時にネックとなるOSライセンス問題(1ライセンスでXPを実マシン/仮想マシンの両方に入れることは出来ない)を解決するためのイメージファイルも提供された2006年。「仮想OSによる防御」という方法論は今後一般的になっていくだろう・・・と言いたいんだけど、もうすぐVistaが・・・(仮想OS環境はマシンスペックを要求するので、一般的なホームマシン/Vistaで仮想OS環境をどの程度現実的に動かせるのか不安がある)。
参考:MSの「Virtual PC」最新版でゲームパッチなどを安全に起動
参考:VirtualPC用のXP Proインスト済みイメージファイルを無料でゲット
衛星写真ビューア:Google Earth

衛星写真が敷き詰められた3D地球儀をグリグリ動かすツール・・・という説明で良いんだろうか。正直言って(いわゆる)ギーク層からの「こんなことができるぜ!」的な(たしかに一瞬凄い気がするけど役に立たない)提案以外では実用的な活用法は提示されていないような気がするツールだが、デスクトップ上で世界を上空から覗けるのは単純に楽しく、まともな観光スポットから不思議スポット、怪奇現象からトップレス女性まで様々なスポットが世界中のネットユーザーによって発見された一年だった。
動画ブラウザ:TAGIRI

先に書いておくと、「「それでも」タグに未来を見る」で言及したように、個人的にこのツールのタグ周りの設計には疑問がある。ただ、2006年は「HDD上のファイルをタグ管理する」という方向性が(個人的感覚では、まだ成熟に達したツールは現れていないが)少しずつ市民権獲得に向け盛り上がってきた年であるし、また、HDD内の動画の数(合計ファイルサイズではなく数)が一気に膨れあがった年だったのではないだろうか。「1CD動画を落とす度CD-Rに焼く/6〜7個溜まったらDVD-Rに焼く」というスタイルから「YouTube動画を数百数千単位でかき集める」というシフト。ここにおいて「溜まった動画をどのようにブラウズするか」という問題が生じ、おそらく決定的といえる解決策はまだ登場していないのだが、現時点で最も高い部分にいる/2006年的なトレンドに対し最も真面目なアプローチを行っているTAGIRIを、10選の最後に選出する。
参考:TAGIRI+IrvineでYouTube動画をDL→自動サムネイル管理
で、まぁ、毎年書いてますが、こういう企画ってどこまでいっても「人それぞれ」なので、とりあえずコンセプトというか選考基準を明示化し、その下にあるソフトのみを紹介し(たつもり)、別のコンセプト(とその下にあるソフト)を提示されている方を見つけたら「参考記事」という形で紹介します。
・・・ということで参考記事。

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