iTunesでCDを完全コピー
前編後編に分けようかと思ったんですが「分けることもないか」ということで一つにまとめました(3/29編集済)
「iPod for コレクターズ」というムックを書いたのでiPod周辺のネタに関しては正直相当調べたり遊んだりし尽くした。けど、「マニアック過ぎ」とか「ニッチ過ぎ」といった理由で外したネタもあるのでサイトの方で公開しようと思う。
テーマは、ずばりCDの完全なる可逆取り込みと完全なるCDへの書き戻し。
・・・先に書いておきますが、大多数のユーザーはムックに書いた方法で十分だと思います。こちらの方法は、あくまで「自己満足」を求めるモノである、ということを踏まえた上でどうぞ。
「完全なる可逆取り込み」とは、「AppleLossLessで取り込みましょう」だけを指すのではない。なぜAppleLossLessで取り込んだ「だけ」では完全でないのか。「ギャップ情報が保持されないから」という話(と解決法)は「iPod for コレクターズ」でも書きましたし、それも理由の一つなんですが、もう一つ理由がある。・・・というところから話を始めますが、CDドライブは、必ず「ズレ」を持っています。この話はネットランナー2005年6月号で書いてるので以下省略説明。
CDには「トラック○はCDの頭から見て○○分○○秒○○」といった情報が記載されているんですが、問題は、この「CDの頭から」。ドライブの「ズレ」とは、「正しい頭から少しズレた場所を頭だと認識してしまう」というズレ。このズレ量はドライブ依存で常に一定ですが、要は、どんなツールを使っても、どんな設定を使っても、常に各トラックは少しずつ「ズレて」いるんです。
- トラック1だと思っているのは実は「トラック1開始後少し〜トラック1終了後少し」
- トラック2だと思っているのは実は「トラック2開始後少し〜トラック2終了後少し」
- ・・・
といった具合。
「ズレ」を正すためには、その機能を備えたリッピングソフトが必要で、有名なのはExactAudioCopy。「有名なのは」というか「他にない(はず)」。
- ズレってどのくらいですか?
- ドライブによりますが、多くても数百分の一秒程度です
- それは人間の耳で聞き取れますか?
- 聞き取れたら尊敬します
- じゃぁ何のためにEACを使うんですか?
- 「元と完全に同じでないと満足できない」という自己満足のためです
以上、FAQ。
ということで作業を行います。
□1-1:EACのドライブオプションで「ズレ」を設定する
ExactAudiCopy(以下「EAC」)自体の解説は省略するのでMUSIC PCさんんとかを参考にしてください。
重要なのは「読み込みサンプルオフセット」。これが「そのドライブの(読み込み時の)ズレ量」であり、つまりEACの能力を決定する、非常に重要な設定です。数値はドライブによって異なるので
- 自分の使っているドライブを「ズレ」のデータベースサイトで検索する
- メジャーなCDをドライブに挿入し「読み込みサンプルオフセットの検出」から手動で検出する
- データベースに登録されているCDでなければ無理です。個人的にあんまJ-POPを持ってないので確信的には言えませんがJ-POPはほぼ全滅だと思います。Beatlesとか、そういうレベルで「メジャーな」CDを使ってください。
のどちらかで設定を行ってください。
□1-2:Wave+Cue形式でリッピング
EACを使ってWave+Cue形式でリッピングを行います。CDをドライブに挿入しEACで「IMG」をクリック。
EACは「ズレ」を考慮していますから、この段階で取り込まれたWave+Cueは「ズレ」のない、元CDの状態を完全に再現するデータファイルです。
□1-3:仮想ドライブにマウントしiTunesで取り込む
DaemonToolsなどの仮想ドライブツールを使ってCueファイルをマウントします。
マウントすればiTunes上で(実ドライブに実CDを挿入した場合と同様)認識されるのでAppleLossLess形式で取り込み。
DaemonToolsの提供する仮想ドライブには「ズレ」がないので、取り込んだファイルは「ズレ」のない、元のCDの状態を完全に再現するファイルになります。
以上の作業によって、ドライブ固有のズレがない、完全に元のCDと同じ状態のAppleLossLessファイルがiTunesに取り込まれました。生成されたWave+Cueは不要なので(アンマウント後)削除しておきましょう。
□1-4:書き戻しのための準備
下準備としてEACオプション「ファイル名」タブで「ファイル名の設定」を行います。ここでトラック名やアーティスト名、アルバム名といった情報が一切含まれないパターン(「%N」を推奨します)を設定しておく*1。
□1-5:トラック別CUEシートの作成
そして「アクション」「CUEシートの作成」「訂正したギャップを含めてトラック別WAVファイル用」をクリックしCUEシートを吐かせます。
このCueシートには、各トラックのギャップが正しく記述されています。

このファイルを、iTunesで取り込んだ音源ファイル(iTunesMusicフォルダ内のAppleLossLessファイル)と同じフォルダに保存します。
これで取り込み作業は全て終了。CDはもう不要です。
□2-1:AppleLossLessをWaveに変換
取り込んだファイルをCDに書き戻したい場合は、まずiTunesでエンコード設定を「Wave」にしてから右クリック「選択項目をWAVに変換」。
この結果AppleLossLessと同じフォルダにトラック別のWaveファイルが生成されます。
これらのファイル名をEACオプションと同じ形式(ここでは「%N」にしているので「01.wav」といった形式)に変更します。ファイル数が多い場合はFlexibleRenamerなどリネームツールを使うと良いでしょう。
□2-2:CD-Rへの書き戻し
この結果
- 正しいギャップを記述しているCUEシート
- CUEシート内で定義されているWAVファイル(ドライブのズレを考慮し正しく読み取られている)
が揃うので「正しい」書き戻しが可能になります。EACで「ツール」「CD-Rへの書き込み」を開き「ファイル」「CUEシートの読み込み」で先ほどのCUEを選択し「CD-R」「CD書き込み」。
ここで焼かれたCD-Rは
- 正しいギャップ
- ドライブのズレを考慮し正しく読み取られた各トラック
によって構成されており、元のCDと「完全に」同じです。
・・・最後にもう一度書いておきますが、これはあくまで自己満足のための作業方法です。正直、最初のFAQで「何だそりゃ」と思った方にはオススメしません(だから「iPod for コレクターズ」では外した、というか・・・)。
- *1: EACとiTunesで同じCDDBを使うことができないからです。iTunesのデフォルトファイル名パターンに合わせるなら「%N %T」ですが、あるCDのあるトラックのトラック名をEACから取得した場合、iTunesから取得した場合で同じである保証がないし、異なっていた場合にかえって修正が面倒です。












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