よい子のためのスパムメール除去講座
世の中は「スパムメールを何とかしろよ>プロバイダーとか」という流れになりつつあって、この先にあるのはおそらく「サーバーがヘッダレベルでメールをスキャンしスパムか判別する」という時代であり、プライバシーがどうのとかいう以前に自前SMTPでFromを転送アドレスとかにすると普通に弾かれる時代なような気がします。結局それもまた「お前ら俺が想定する『普通の方法』を使えよ」という傲慢であり「うちのサイトはIEでActiveXオンにしてないと一切見れませんが別に問題無しだろ?」というのと何も変わらないことに気付いて欲しいと思う。
と、いう第一段落に同意してもらえるかどうかは分かりませんが、少なくとも現状ではスパムメールはユーザーサイドで何とかしなくてはいけない代物です。「スパムメールを消す」という日本語を実現するためには具体的には何をすればいいのか。単純なアウトラインですが、具体的には二種類のツールを併用することになります。一つだけでは不完全で、二つ組み合わせないと満足な結果を得られない。これは今後も続く傾向だと思います(一つで二つの役割を果たすツールが登場するまで)。
□1:ベイズ理論によって受信メールをスパム判定するツール
メール受信サーバーとメールソフトの間に(ローカルプロキシとして)入り込み「このメールはスパムかどうか」を判断するツールです。
さて、「ベイズ理論」なのですが、これは単純にいうと「Aだった事象に似た事象はAである可能性が高い」というモノです。つまり「スパム」「非スパム」が「A」です。過去にスパムメールと判断されたメールと「似た」メールはスパムである可能性が高い。逆に、過去にスパムでないと判断されたメールと「似た」メールはスパムでない可能性が高い。
つまり、我々ユーザーがスパム判定ソフトに対して「これはスパムで、これはスパムでない」という判断を与えると、ソフトはその情報を元にして以後送られてくるメールに対し「スパムなのかどうか」という判断を下す訳です。ある程度育てないと使い物にならないが、きちんと育てればまず間違いなく「スパムかどうか」を判断してくれる。
この動作原理を理解して貰えれば、何故このツールが単体では満足な結果を出せないのか分かって貰えると思います。
- ベイズ理論型のソフトはメールを細かく検証しないと「スパムかどうか」を判断できない。故に動作は決して速くない。可能であれば「明らかに不要なメール」はチェック前に削除したい。
- ユーザー登録で勝手に送りつけられる不要なメルマガ等をベイズ理論のツールに「スパム」と教えるのは得策ではない。何故なら「不要なメールマガジン」は「必要なメールマガジン」と似ている。ベイズ理論というのは「似ているモノ同士は似た結果になる」という前提に立っていますから、「似ている」メールを「スパム」と言ったり「スパムでない」と言ったりすると判定精度が下がってしまう。
つまり、この問題を解決するために二つ目のツールが必要なのです。
□2:定期的なサーバーチェック時に条件一致メールを削除するツール
POP3サーバーに定期的に接続し、予め指定しておいた条件(例えば「○○というアドレスからのメールは全削除」といった)に従いメールをサーバー上から削除するツール。こうしたツールに
- 何度もスパムを送りつけてくる業者(のアドレスや件名)
- 不要なメールマガジン(のアドレスや件名)
等を登録すれば、前述の問題は解決される。何度も同じ業者からのメールをベイズ理論ソフトに判断させるのは時間の無駄ですし、不要なメールマガジンをベイズ理論ソフトに「スパム」と伝えることで生じる判定精度の悪化も起こらない。受信前にサーバー上から消してしまえばよい。
今後おそらく□1や□2のツールはそれぞれの道を、それぞれの足で進んでいくのだと思われますし、新しいツールもどんどん登場するでしょう。ネットランナー9月号に□1/2それぞれのお勧めツールを書いているので&具体的なツール名出すと例えば半年後や一年後にソフトマップが変わった時にこの文章自体に価値がなくなるのでここでは「アウトライン」に徹し具体的なソフト名は出しませんが。
ただ、いずれにしても僕らユーザーは□1のようなツールを一つ、□2のようなツールを一つ選ばないと「スパム」というモノを完全に/快適に消し去ることはできない。この事実は今後もおそらく当分は続くと思いますんで、具体的なツール名はともかく、考え方は頭に残しておいて貰えれば。
ちなみに、第一段落で書いたような事態は既に始まりかけていて、携帯電話が「ドメイン詐称メールを削除」という設定を付けて以来、携帯メールに対する返事をPCから(Fromを携帯アドレスにして)送る時に「こいつ詐称メール切り設定してるのかなぁ」と不安にならなければいけなくなった。何で家にいてPCの前に座っている時に携帯でメール打たなくちゃいけないのさ。と、いう、これがつまり、ある人間にとっての「お前ら俺が想定する『普通の方法』を使えよ」なんだ。

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