MP3は何処に向かうのか

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「ウェブ媒体でこういうことを過剰に気にするのもなぁ」
というのと「正直俺は日本人平均の10倍くらいはCD買ってる」というのがあるのである程度露骨な表現をします
MP3は当初、シングルCDをリプレイスするモノだったように思えます。具体的にはウェブやFTPからNapsterの時代でしょうか。アナログ〜ISDN程度で5分のMP3を20分くらいかけて落としていた時代。
当時僕はレンタル屋でシングルCDを適当に10枚くらい借りるということを一ヶ月に一回くらいやってました。それで気に入った曲があったらその人(なりバンドなり)のアルバムを買うかレンタルするかする、と。借りたシングルCDは「シングル集」みたいなMDにまとめて録音し、そのMDは一ヶ月もすれば聴かなくなっていた。「聴き続ける」のはアルバムだった。
MP3は、この「シングルCD」をリプレイスするモノとして非常に便利でした。まだ60MBといった「アルバム全部」を一気に落とせる時代ではなかった。5MB程度のファイルでも落とせた時は「やった」という感覚があった。レンタル屋に入ってから棚の前で行っていた「どの曲を聴いてみようかな」と悩む作業をデスクトップの前で行えることは非常に便利だった。
回線は高速化し、.zip.mp3の時代がやってきた。MP3はアルバムレンタルをリプレイスするモノになっていた。64MB〜128MB程度の内蔵メモリを搭載したポータブルMP3プレイヤーが普及した。Nikeまでもが「ジョギング中にどうぞ」とかいうコピーで商品を出していた。それは確実に「アルバム一枚が入るサイズ」だったように思えます。WinMXや(高速回線下での)FTPは「アルバム同士の交換」に便利だった。HDD内MP3フォルダに「アーティスト名」「アルバム名」といった階層ディレクトリを作りアルバムを集めていった。WinMX(や趣味の合う会員鯖)はレンタルに来ないようなマイナー洋楽の視聴に便利だった。Winnyによって、キーワードを設定して放置するだけで手に入るという環境すら実現した。
聴く音楽の幅をMP3で広げ、本当に気に入ったアルバム・・・昔なら「レンタルで借りてMDに落とすだけじゃなくてCDを買う」レベルで気に入ったアルバム・・・だけを買っていた。
そして、今僕らのHDDには数十GB超のMP3が溜まっている。
iPodがHDD型ポータブルMP3プレイヤーの時代を作ろうとしている。「容量15GB」とは「約250時間」を指す。平均的な社会人・学生の通勤通学時間を往復2時間とするなら125日分。
HDDに溜まっているMP3を30GBと仮定する。雑誌の「あなたのPC使用時間は?」に対する最も多い選択肢が「5時間以上」。「30GB」とは「約500時間」であり、一日5時間MP3を再生しても100日分。
HDD型プレイヤーや自分のHDDを見て、僕らはそろそろMP3の新しい姿を見つけるべきなのかもしれません。「アルバムをリプレイス」していた当時と同じようにMP3を使うなら、iPodとは「入れ替えの手間がないけど音質が悪いポータブルMDプレイヤー」に過ぎない(省スペース性という利点はHDD化で消えた)。そしてその「入れ替えの手間」というのは、先の計算を使うなら「通勤通学中一日一回の手間」に過ぎない。一日一回の手間をなくすために高い金を払って音質の悪いプレイヤーを買うのか?と。
「デジタルデータ」というモノの利点はいくつもあると思うんですが、例えば三ヶ月ほど前の記事なんですが
アルバムを最初から最後まで通して再生するといった、古臭くて堅苦しい聴き方をやめて、再生する曲を音楽プレーヤーに無作為に決めさせることが人気を集めている。
ランダムな選曲は、何万曲にもおよぶ楽曲ライブラリーという膨大な音楽コレクションを伴ったとき、その真価を発揮する。このような大規模なコレクションでは、放っておいたら一度も再生されない曲を聴かせてくれる優れた方法――場合によっては唯一の方法――だろう。
こういうのが「ユーザーサイドで出来る変遷」でしょうね。シャッフル再生を行えばiPodは「入れ替えの手間がないけど音質が悪いポータブルMDプレイヤー」を超えることが出来る。MDには出来なくてHDD型MP3プレイヤーだから出来る、という。しかしシャッフル再生というのはつまるところランダムであり、「古臭くて堅苦しくない」聴き方であるのと同時に「納得いかない繋ぎ方にキレるハメになる」聴き方でもある。では、ユーザーサイドで出来ることに限界がある現状、プログラムサイドはどうすべきなのか?どうやってMP3をMD以上のモノに変えていくのか?
という、この流れが今後のスタンダードになっていくと思うのです。僕らが本当にCDやMDに対して抱いていた不満・・・MP3が解決するべき「不満」(「それを解決できないならMP3は低音質形式に過ぎない」という類の不満)・・・とは、つまり「CDやMDの時代、僕らは選曲を自分で決めなければいけなかった」であり、「それが故に肥大化していくMP3フォルダ/ポータブルプレイヤーのHDD容量は再生されない曲を増やしているだけだ」ということではないのか?と。
このところ、PCの前にいるときは以下で紹介するネットラジオを聞きっぱなし。
仕事中はCDを入れ替えるのもめんどくさいので、ここのチャンネルは非常に助かる。選曲もナイス。
なんといっても、選曲レパートリーに偏りがないのが良い。次のCD考えるだけでも大変だった(笑
というようにCD持っていてもその理由でネットラジオにハマってる方もいますし(笑。
具体的に言えば今後のMP3プレイヤーなんですが、例えばWinamp信者の僕はインターフェイスや音質や対応形式の問題でWinampを捨てることはあり得ない。捨てることがあるならば、Winampというプレイヤーが持つ再生スタイルの旧世代性・・・つまりディレクトリレベルでアーティストやアルバムによる階層構成を取りプレイリストから再生することを主とする/マニュアルで選曲を決めることを「デフォルト」とした設計/いわば「数百連装CDコンポ」としての設計・・・に限界を感じた時でしょう。ネットランナー8月号に書いてるんで詳細は省略しますが、ディレクトリレベルではなくタグレベルでMP3を管理するジュークボックス型のプレイヤーソフト・ユーザーの好みを覚えて好みに従ったシャッフル再生(つまり完全なランダムではないシャッフル再生)を行うプレイヤーも登場しています。おそらくその進化の果てにあるのは、例えば
ファイルをタグレベルで管理しマニュアル再生させてユーザーの好みを覚え、MP3のBPMを自動判定し自然なクロスフェーダリングでシャッフル再生を行う。シャッフルはユーザーの好みやMP3のジャンルにも依存し、時には一曲全部の再生が終わる前に繋いだっていい。ユーザーは「Good」ボタンや「Bad」ボタンでプレイヤーに対し「今の繋ぎ方が好きか嫌いか」を送信する。
というプレイヤーソフトであり将来のiPodはプレイヤーソフトの書き換え機能を実装しプレイヤーソフトを定期的にバージョンアップするはずであり、そうなった時にMP3は本当の意味でMDを超えることが出来て、僕らの数十GBのMP3コレクションやiPodにも意味が出て、MP3の真価が発揮されるように思えるのです。

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