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セカチュー・サックス

「世界の中心で、愛を叫ぶ(以下セカチュー)」はパクリで「世界の中心でアイを叫んだけもの(エヴァンゲリオン最終話)」や「華氏911」はオマージュ(あるいはパロディー)である。という話です。まぁ「パクリ」「オマージュ(あるいはパロディー)」という言葉は僕が便宜上使い分けるだけですが、セカチューとエヴァ&マイケルムーアの間には大きな差がある、ということを主張します。



□1:オマージュの例1「華氏911」

元ネタはレイ・ブラッドベリのSF小説「華氏451(ASIN:4150401063)」(一応書いておくと一般的に使われる温度表記には華氏と摂氏があり、我々が「今日は35度超えて暑い」というのは「摂氏」です)。華氏451度は紙が燃える温度で、出版が統制された近未来の物語(リベリオン(ASIN:B0000C4GMN)みたいな話です←微妙に違います)のタイトルが「紙が燃える温度」即ち「華氏451」だった訳です。それに対するオマージュとして付けられたのが「9.11」をもじった「自由の燃える温度」即ち「華氏911」。

□2:オマージュの例2「世界の中心でアイを叫んだけもの」

ASIN:B0000CBC3O:image

元ネタはハーラン・エリスンのSF小説「世界の中心で愛を叫んだけもの(ASIN:4150103305)」。エヴァンゲリオンの世界とは、つまり「世界の中心にラブがない世界」。カタカナ「アイ」は「I」であり「俺」であり、最終話は「世界の中心にラブはない、俺しかいない」というタイトルになっている訳です。庵野アニメは「最終話がSF小説なタイトル」というのが「約束」らしいんですが、そして僕はエヴァ以外は知らないんですが、少なくとも今作は「オマージュ」として成立しているタイトルですね。


このように、「オマージュ」というのは「元ネタ」と「それに対するオマージュ」という構造が発信者と受信者の共有知識であることを前提に作られたものを示します。別の言い方をすれば、元ネタが存在しなければ存在しえないタイトル、ということにもなりますね。例えば「華氏451」というものが存在しなければ「何で9.11を温度にするの?」「自由が燃える温度て」「『消防車が忙しくて来れない事件』なダイヤル911とでもすれば?(日本人的には)」という話ですし、「世界の中心で愛を叫んだ獣」が存在しなければ「世界の中心で『俺!』と叫ぶ獣、でいいじゃん」「何でわざわざ英語にしてしかもカタカナにするのよ」という話ですよ。「元ネタ」「オマージュ」という構造があるから(そしてそれが発信者と受信者の共有知識であるから)こそ言葉以上の意味を持つタイトル。になってますもんね、二つとも。


□3:パクリの例「世界の中心で、愛を叫ぶ」

「元ネタ」「それに対するオマージュ」という構造が一切ない、「受信者が無知ならいいのに」というタイトルです。「元ネタのこととか誰も言わなければ『ネーミングセンスいいなぁ』になったのに何でわざわざ元ネタのこと言うのよ!」というタイトルです。しかも何故この話が「世界の中心で、愛を叫ぶ」なのか明確な説明が一切ない(最初のタイトルは「恋するソクラテス」だったんだから当たり前ですが)。これが「世界の中心」で「愛」を「叫ぶ」ならあらゆるラブストーリーは「世界の中心で、愛を叫ぶ」です。早い話が「タッチ」だって「世界の中心で、愛を叫ぶ」ですね。甲子園は世界の中心だったんだ(彼らにとって)。


これがタイトルとして成立するなら、本気でどんな恥知らずなパクリだって成立しますよ。ヲタアニメや神父崩れのメリケンでもちゃんとやっている「オマージュ」の基本すら出来ていない。あれですね、「罪と罰」という不倫小説でもいいし「かくも長き不在(デュラス)」という家出物語でもいいし。

たまたま「華氏911」の騒動とタイミングがかぶったため「日本ではセカチューがパクリとか言われてアメリカではマイケル・ムーアがパクリとか言われて二人とも可哀想に(もしくは『二人ともアレだね』)」という論調がたまに見られるんですが、それは根本的に間違っていませんか?と。もちろん、「オマージュだろうがパロディだろうがパクリだろうが他人の著作物の存在を前提としたタイトルは全てあり得ない」「全てあり得る」と思うならばそうした結論に達するとは思いますが。

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世界の中心で、愛を叫ぶ
ベストセラーになっている「世界の中心で、愛を叫ぶ」ですが、残念ながら、未読です。...
BloGodgeo 2004/07/30

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タイトルは編集者がエヴァンゲリオンから付けたという話ですが?

[匿名] 2004/08/04 04:00:42

その話は知っていますが
(a)編集者が
僕は「セカチュー」という小説(完成品)のタイトル
に対し言及を行っているだけです。
別にこの文章は片山批判とか小学館批判ではないので
「誰がタイトルをつけたか」というのは本質的に
この文章にとってはどうでもいいことです。
(b)エヴァンゲリオンから
「ネタとして面白い」とは思う話ですが、どちらが
元ネタであれ、この文章で触れた問題点(例えば
「元ネタ/オマージュという構造がない」とか)は
変わらないです。
・・・ということでこういう文章にしました。

tokix 2004/08/04 11:43:58

久しぶりにレイ・ブラッドベリという名前を聞いたかも知れません(SF作家で有名らしいです)
エヴァンゲリオンは結構なんか脳の構造が(ニューラルネットワークとか)があります。

oasis5 2005/04/21 10:21:30

レイ・ブラッドペリは実のところ「華氏〜」しか知らなかったりします。たしか今どこだったかのDVDセールで映画版が安く手にはいるような記憶

tokix 2005/04/22 10:36:40

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